ピロリ菌は、胃の粘膜に生息しているらせん形をした悪い菌で、主に胃や十二指腸などの病気の原因になります。
子供の頃に感染し一度感染すると多くの場合、除菌しない限り胃の中に棲みつづけます。
ピロリ菌に感染すると、炎症が起こりますが、この時点では、症状のない人がほとんどです。
大人になってから激しい胃の症状が出ることがあります。
ピロリ菌の感染経路は、まだはっきりわかっていません。
ただ、大部分は飲み水や食べ物を通じて、人の口から体内に入ると考えられています。上下水道の完備など生活環境が整備された現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはありません。
ピロリ菌は、ほとんどが幼児期に感染すると言われています。
幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。
噛み砕いたものを子供に口移しで与えるといった行為は、ピロリ菌を感染させる可能性がありますので注意が必要です。
ピロリ菌の感染率は衛生環境と相関すると指摘され、50-60代以上の日本人の70-80%以上がピロリ菌に感染しているといわれています。
さらにピロリ菌の感染が続くと感染範囲が広がって、慢性胃炎(ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎)がすすみます。
この慢性胃炎が、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃がんを引き起こすおそれがあることが明らかになってきました。
ピロリ菌を見つける検査には様々な検査法がありますが、当院では尿素呼気試験を推奨しています。
診断薬を服用し、服用前後の呼気を集めて診断します。
最も精度の高い診断法です。
簡単に行える方法で、感染診断前と除菌療法後4週以降の除菌判定検査に推奨されています。
当院では、検査結果は20分でわかります。
除菌の治療法は、胃酸の分泌を抑える胃薬と2種類の抗生物質の合計3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。
除菌薬服用終了後、約1か月に検査をして、除菌が成功したかどうか調べます。
通常は、約7-8割前後の人が除菌に成功します。
1回目の除菌治療が不成功だった人は、抗生物質の種類を変えて再除菌します。
1回目と同じように3種類の薬を朝夕2回、7日間服用します。
これで、一次除菌に失敗した人の9割の人は除菌に成功します。
胃カメラで慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍が認められれば保険の適応で除菌ができます。
将来の胃がん発生を予防する意味でも、ピロリ除菌は大きな意義があります。
ご希望の方には、胃カメラをせずに自費での検査及び除菌治療も可能ですが、胃カメラでの精査をされて検査及び治療をおすすめいたします。
ピロリ菌検査 | 6,000円 |
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除菌治療(薬代含む) | 9,000円 |
除菌後判定検査 | 6,000円 |
※表示金額は全て税込みです。