わが国では、年間約8万人が新たに大腸がんにかかっています。
大腸がんの患者数は男性で第2位、女性では第1位です。患者数増加の一因は、食生活の欧米化や運動不足などが原因です。しかも、大腸がんは高齢者ほど罹患率が高くなるため、今後もさらなる増加が予想されます。
大腸がんは、適切な検診を受けることによって早期に発見できます。また、早期発見により治癒する可能性も高いです。
40歳を過ぎたら、定期的に大腸がん検診を受けましょう。
大腸内視鏡検査とは、先端に高性能カメラがついた細い
チューブ(直径1cm程度)を肛門から挿入し、大腸全体・小腸の一部を観察する検査です。
まず第一に、「直接病変を観察できる」検査であることです。
バリウム検査では、異常を疑う所見があったとしても、それが本当に異常なのか区別がつきにくいことがあります。
また、便潜血検査(便に眼に見えない血液が付着しているかを調べる検査)では、陽性であったとしても、何らかの病気であるかと判断することは出来ません。
内視鏡検査では「直接見る」ことで判断に困ることが極めて少なくさらに組織を採取し顕微鏡の検査が可能であるというメリットがあります。
大腸内視鏡検査においては、一旦内視鏡スコープを大腸の一番奥である盲腸に到達させてから、手前の肛門に向かって腸管の中を隈無く観察します。
腸管を観察するためにある程度空気を入れる必要がありますが、奧に入れた空気はすぐには出ません。
その為検査後にどうしてもお腹が張り、検査後腹部に膨満感・苦痛が伴うことがあります。
当院ではこの空気の代わりに、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)を使用しております。
腸管内に入った炭酸ガスは、腸管の壁から素早く吸収されて血液の中に入り、そこから肺へ送られて、呼気(呼吸する時の「吐く」息)により、体内から速やかに排出されます。
これにより、通常の空気を入れる場合よりも、かなり早く腸管内のガスが排出され、検査中から終了後にかけての、お腹の張りや苦しさが、かなり軽減されます。
潰瘍性大腸炎
クローン病
大腸ポリープ
早期大腸癌
進行大腸癌
内痔核
大腸癌のほとんどは、ポリープ(腺腫という良性腫瘍)が悪性化・癌化したものです。つまり、ポリープは癌になりうる病変です。ポリープの段階で発見・切除することは大腸癌の可能性を下げる効果があるのです。
ただし、ポリープの段階ではほとんど症状はありません。
便潜血検査でも、100%見つけることは出来ません。
そのため、40歳以上の方には、大腸内視鏡検査を受けていただくことをお勧めしています。
当院では、大腸ポリープの日帰り手術を行っております。
内視鏡的にポリープを取るときは、スコープの中を通して細いワイヤー(スネアーといいます)を送り込みます。このワイヤーでポリープの付け根をしばり、締め付けながら同時に電気(高周波電流)を流して焼き取ります。
これを内視鏡的ポリープ切除術または内視鏡的ポリペクトミーといいます。
また、隆起の丈が低くてワイヤーがかかりにくい時は、粘膜の下に生理食塩水を注入して、隆起を高くさせてワイヤーをかけて切除します。これを内視鏡的粘膜切除術といいます。
生理食塩水の注入やポリープを切除するときには痛みなどは全くありません。
大腸ポリープのほとんどは日帰りで切除可能です。
しかし、ポリープの大きさや形によっては入院治療が必要となる場合があります。その際は、適切な医療機関をご紹介いたします。
検査当日、自宅で、腸管(大腸)を洗浄する下剤を飲んでいただきます。飲んでいただく下剤は当院では下記の4種類採用しております。
モビプレップ®をコップ1杯あたり10〜15分かけてゆっくりと服用していただき、便が透明になるまで服用を続けていただきます。新しい下剤で洗浄力が強く、便が透明になればその時点で服用を中止可能な下剤です。
薬剤の服用は検査前日150ml、当日午前中150mlのみです。
その他は、透明な飲み物(水、お茶、ソフトドリンク、具のないコンソメスープ等)で前処置が可能です。
下剤に抵抗がおありの患者様は、ぜひこの機会に検査をご検討頂けたらと思います。
朝9時30分に開始しします。
用意した袋の中に水を1,800ml入れていただき、1時間30分かけて飲んでいただきます。
味はポカリスエットに近い味です。
『下剤の味がいやです』という患者様にはおすすめです。
朝9時から開始します。
錠剤(少し大きめの薬 16×8mm)5錠を10回(計50錠)2時間30分かけて、飲料水と飲んでいただきます。
一緒に飲まれるのはミネラルウォーター・お茶(温かいお茶でも可能)どちらでも可能です。
下剤の味が・・と言われる方には好評な前処置法です。